November 4, 2008

経験と偏見


昨日、おもしろい議論をした。結果から言うと、人は自分の経験を通して、偏ったものの見方を形成していくのだということ。昨日話題になったのは、「インド人はチップを気前よく払わない」、「ベジタリアンはうるさいスノッブ」だという話。ニューヨークで最も親しい私の友人のひとりはインド人の女性だ。そして彼女を含め、私の友人にはベジタリアンがたくさんいる。どの人も「チップはウエイターの生活を支えている」からと気前よく払い、メニューにいろいろ注文をつけるようなスノッブでもない。でもレストランで仕事をしている人にとっては、「インド人はケチ、ベジタリアンはガミガミ屋」ということになっているらしい。

そこで私が友人の例を挙げてどんなに弁護しても、彼らの経験から得た、人種に関するインプットを覆すことはできない。でも、「インド人にケチが多い」は「ケチな人はみんなインド人」ということにはならないし、「ベジタリアンにガミガミ屋が多い」は「ガミガミ屋はみんなベジタリアン」ということにもならない。私自身レストランでの実体験がないのだから、わからないこともあると思うが、そうやって気づかないうちに、人は偏見を持つようになり、知識として応用し始めるようになっていくのだろう。

アメリカの警察官は「犯罪者に黒人が多い」ことを身をもって知っている。だから、黒人が事件現場にいたら、「黒人=犯罪者」という思考が働き、必要以上に暴行を加えてしまうことがある。私自身も、もしあのときナイジェリア人にだまされていたら、ことあるごとにナイジェリア人を疑うようになっていただろう。人間なんて単純だ。だからこそ忘れてはいけない—Not the other way around.

オバマ氏にも最初は多くの偏見があったが、投票日の今日となった今では、彼こそがこの人種のるつぼアメリカを変えていけると信じている人は多い。それが投票結果に繁栄されることを、今夜、固唾をのんで待ち望む。

October 24, 2008

Politics and Religions

My friend forwarded an email from her mother to me. She said it was entertaining; such a smart working woman (like her mother) still strongly believes in God, and that's the reason why she is supporting McCain. It was quite personal, but for me, it was apparently interesting to see how religions are involved with politics in America. 

Religions and politics are totally divided and no one tries to mix it together in Japan. There is no God in Buddhism, and there are too many Gods in Shintoism (almost the same as Greek mythology) anyway. Speaking of Emperor, I think that he was believed as God by those brain-washed people during those war eras. Before and after, we always know he is important and symbolized, but he is just another individual like us (except those super-right-wing minorities). Emperor has absolutely no power over politics in Japan right now. Instead of religions, moral issues are involved with politics in Japan, but it's debatable as well.

By the way, I really like the Mr Colin Powell's comment about what America is. That makes me want to be a part of it.

"I'm also troubled by, not what Senator McCain says, but what members of the [Republican] Party say... such things as 'Well, you know that Mr Obama is a Muslim.' Well the correct answer is, 'He's not a Muslim, he's a Christian, he's always been a Christian.' But the really right answer is, 'What if he is?' Is there something wrong with being a Muslim in this country? The answer is 'No,' that's not America."

October 15, 2008

尊厳は、生きとし生きるものすべてに。

It is not the strongest of the species that survives, nor the most intelligent that survives. It is the one that is the most adaptable to change. — Charles Darwin

ダーウィンの進化論に同意せず、少なくとも神の存在にあくまでも固執する考えを持つ創造科学やインテリジェント・デザイン (日本では統一協会の関連団体らしい) を信じる人たちは、「人間が偶発的に変化して誕生したと考えるなら、人間の尊厳はどこから来たのか? (人間の尊厳は神によって創造されたとしか考えられない)」と思っている。さらには「日本では進化論偏向教育によって日本神話等が弾圧された」などと発言している。そんな例は聞いたことない。 日本は万の神が存在する国だと言うが、 多くの日本人は、古事記、日本書紀はあくまでも文学であり、宗教書ではないと考えていると思う。キリスト教徒のいう聖書とは明らかに違う。それに人間の「尊厳」にのみ重きを置いた宗教は、言い換えるなら、人間は特別な存在で、他の生物とは一線を引いているというおごりの他ならない。

アフリカのサバンナを命がけで逃げ回るチータが、追いつめられ、逃げ場を失った時、それでも必死に生き延びようと、銃を向ける人間を威嚇している姿に、私は尊厳を見た。

自由を奪われ、日頃から虐待を受けていた象が、檻を破り、街を暴走する姿に、私は尊厳を見た。

盲導犬が飼い主の支えになって、マンハッタンの人ごみを上手に避けて歩き、地下鉄のプラットフォームで、ちょっと腰を下ろしている姿に、私は尊厳を見た。

飼い猫でさえ、してほしくないことをされたとき、人に歯向かう姿に、私は尊厳を見る。

この前、うちへ友人夫婦が遊びにきた時、人と動物のどちらが優先されなければならないかという議論になった。漠然とした話なので結論は出なかったが、私はこう思った。もし目の前に、動物を虐待している人間がいたら、私はその人間を撃って動物を逃がしてやる。

ダーウィンも最愛の娘を失ったとき、「死は神や罪とは関係なく、自然現象の一つである」と確信したという。どうせいつか死ぬなら、生きとし生けるものすべての尊厳を尊重して、且つ毎日楽しまなくては損、損、というのは私の持論。脳内メーカーもあながち外れていないな。私の脳は「遊」というひと文字で満たされていた。

August 29, 2008

DNC雑感

昨日終わった民主党大会のスピーチをすべて聞いて、ふと共和党の政権権力者のことを考えた。そして、実際シリコンバレーで起こった社会現象を思い出した。そこに住むIT関係者がみんな高額所得者になったため、周辺の物価が上がり、清掃業など所得の低い人たちが住めなくなった。たとえ仕事についていてもホームレスになるという現実に、低所得者は余儀なく街を出なければならなくなったが、今度はシリコンバレーで清掃をする人がいなくなったため、ゴミ処理も滞り、街は汚れ放題。高給取りもお手上げになったという話。例えはあまりよくないが、いろんな人がいないと、社会は成り立たないという証明だと思う。

民主党がいつも口を揃えて言うのは、ミドルクラスが豊かに暮らせて、低所得者層が最低限の生活を保証されない限り、国は繁栄しないということ。加えて、今回ヒラリークリントンは、自らの立場から、女性が少しずつ男と同じ権利を勝ち得てきたアメリカは、これからも前を向いて進み続けなければならないと言った。彼女のスピーチを聞き終えたとき、なぜ彼女が大統領になれないのか不思議でならなかった。アルゴアはリサイクルの大切さを説いてきたが、ジョージブッシュのポリシーをジョンマケインがリサイクルするのだけは馬鹿げていると言った。ビルクリントンは、各家庭が安心して暮らせなければ、国家が強くなれるはずがないと言った。そしてバラクオバマは自らの生い立ちを暗に含み、人種、性差、ゲイもレズビアンも超えて、すべてのアメリカ人は幸せになる権利があると言った。今回民主党が明確に打ち出したのは、アメリカは、ありのままの多様性を認め、そこから国家としての豊かさを追求しなければならないということだと思う。

多分共和党大会は、いつものように古き良きアメリカの、たったひとつの価値観を押し付けてくるだろう。でも私腹を肥やしているのは、ミドルクラスでも低所得者層でもない。一部の上層部の人間だけがますます上限なく豊かになっていくだけだ。それなのに一般の人が共和党を指示するのは、多様性がいかに重要であるかが「わからない」からなのではないか。でなければ、救いようがないくらい世界の動きを知らない人たちに違いない。

アメリカは多民族国家だ。シリコンバレーのようなことが国家をあげて起こらないようにするには、多様性の大切さをひとりひとりが肌で実感しなければならない。

タイミングよく、今日、マケインの副大統領候補が発表された。ヒラリークリントンの票を奪おうして女性にしたのかもしれないが、この選出はひどいと思う。マケインに何かあったら大統領になる人なのに、マケインのいいなりになりそうな女性候補だ。ヒラリー支持者はそんなに簡単にだまされない。

それにしても、ここで名前を挙げた民主党の誰でもいいから、日本の首相になってもらえないだろうか。日本には派閥ゲームに忙しくて、民間で何が起こっているのかきちんと把握している政治家なんていないように思える。こんな立派なスピーチをして国民に公約を果たしてくれる政治家が日本にいないのなら、海外から輸入してもいいんじゃないかな? 何なら日本人だと言って偽装してもいいし。ってそれは無理か。

August 6, 2008

Que sera sera な人生

5月に知り合いの結婚式に出た時、新婦のお母さんに会ったのが最初で最後となった。3週間前に亡くなったと、今日聞いた。若い頃から好奇心いっぱいで、乳ガンをわずらってからも手術と治療を続けながら、自分のしたいことにこだわり続け、最後まで自分を貫き通した女性だったらしい。結婚したばかりの彼女は、お母さんの少女時代からの写真を集めてスライドショーを編集し、YouTubeで配信した。BGMに選んだのは Que sera sera。その生き様が、いっそう輝いて見えた。

時を同じくして、日本では赤塚不二夫さんが亡くなった。彼が作ったはちゃめちゃなキャラクターにまともな人はいないにも関わらず、みんな人気者だった。そして、バカボンのパパはいつも「これでいいのだ」と締めくくった。誰もが彼の生き様を、死ぬまで「人生は楽しむものだ」と教えようとしているようだったと言う。何が起っても「これでいいのだ」といってくれる大人はもういないようにさえ思う。

私はというと、いろんなことが複雑にねじれて、面倒になった時、毎日飼い猫が教えてくれる。「見つけようとする気持ちがあれば、何にも楽しみは見つかる」と。猫と遊んでいると、いろんなことがどうでもよくなって気持ちが楽になる。「明日は明日。がんばって仕事して、ご飯買ってくるからね〜」

April 17, 2008

日本のいい男を育てるのは女の役目

電車の中で子供連れの大人が子供に接する様子を見ていると、文化的な違いを感じることが多い。
南米の家族は、親の膝の上に子供を乗せてみんな近くに座れるようにする。
中国人一家は、家族がばらばらになっても、とにかく空いた席に全員座る。下車するときは大きな声で号令し、一斉に電車から降りホームで集合する。
南アジアのイスラム圏から来ているらしい家族の、すざましい様子を目の当たりにしたことがある。まず電車の扉が開くと、父親が真っ先に人をかき分けて車両に乗り込み、席を確保する。隣が空いていたら、続いて乗り込んできた小さな息子を座らせる。後からゆっくりとついてきた身重の奥さんが、その前に立っているのだ。この時ばかりは私だけではなく、同じ車両にいた人はみんな嫌悪感を示した。
韓国人の家族が乗り込んできたら、だいたい子供を席に座らせ、親が側に立つ。 時には祖母を立たせたままでも、孫息子を席に着かせる——日本もこのように男の子を優遇してきたのだろうか、日本でも大人になった大の男が、回りの状況を気にせずに、大きく足を広げて席を占領している光景をよく見かけたことを思い出す。

総体的に見て、東洋人が男の子を優遇しているのは一目瞭然。日本の場合、経済力で先進諸国と肩を並べただけで、モラルは後進国のままであるのにはちゃんと理由がある。女は男をたてるよう教育されてきたが、男は母親を含め女に感謝を言葉やかたちにするよう、きちんと教育されないからだ。そしてそれが今、日本が抱えるすべての問題の根源になっているような気がする。

言葉では知っていても『男女同権』を日本は実践しようとしない。法律上、性差を考慮した上で社会的に男女ができるだけ同じ権利がもてるように努めている先進諸国のようにできないのは、この古い日本の体質のせいだ。強いものが生き延びるのではない。環境に柔軟に変化できるものが生き延びるのだ。近代化に伴って変化してこれなかった日本は、この先滅びるしかないとさえ思う。

日本には、働く女性に堂々とセクハラをする男性上司がたくさんいるらしい。(そんな男を育てた母もたくさんいるにちがいない) ニューヨークで、日本人男性がビジネスの場で信じられない言葉使いをしているのを聞いたことがある。そんな男にも妻や子供がいるんだなと思ったら、こんな夫を持つなんてことが、他人ごとでよかったなとしみじみ思う。女性は女性で、社内で波風立てないようにただ作り笑いをすることも多いのだろう。また社会に出て働き始めた女性が、すべて男性並みに働くことを美徳としてきたからかもしれない。結婚したらしたで、女性には仕事と家事と育児の両立を強要されるし、時には暴力を正当化する夫に耐えることさえ要求される女性がいるらしい。「男を怒らせるのは女の責任だ」とさえいわれるらしい。だったら、それほどのリスクをおかしてまで結婚し、子供を持つ意味があるのだろうか。ましてや生活費もままならないなら子供は生まないという人も多いだろう。それに生まれてくる子供にも法的に守られるには、婚姻関係にある男女の間に生まれることをはじめ、たくさんの条件が課せられる。子供でさえみんな平等ではない。だから日本は少子化なのだ。

それにしても日本の古い体質は、これまでなぜ覆せなかったのだろう。多分、それは母親が自分の子供を育てる時、「ひとりの人間を育てている」という意識が欠落しているからではないだろうか? 『モンスターペアレンツ』という言葉があるように、自分の子供だけを溺愛したり、他者に対して常識が欠けた行動をとっているのではないだろうか? 

母親がこれまで家事育児で家庭を支えてきたのなら、女性が子供を育てる上で、男女で足りないところを補い合う大切さを教えたり、平等に育ててこなかったツケがまわってきているのではないだろうか? 日本の男たちが家事育児をしなかったのなら、育児に携わってきた女性こそが男尊女卑という日本の封建的な体質を変えるもっとも近いところにいたはずなのに、そうならなかったのは、女性に大きな責任があるような気がしてならない。

February 5, 2008

ネコとワインとスーパーチューズデー

今日はスーパーチューズデー。アメフトのスーパーボウルのすぐ後にまた『スーパー』なことが起こるなんて、エネルギッシュなところがまさにアメリカ。共和党をさしおいて、今度の選挙は「大統領は黒人か、女性か?」と物議を醸し出している。そこで共和党(多分マケイン氏)が再選されるようなことになったら、アメリカの選挙制度そのものを疑ってしまう。前回ケリー氏がブッシュに、前々回ゴア氏がブッシュに敗れた時も、票の数え方に問題があった。本番の大統領選では、今度こそそのような失態を世界に披露することのないように願いたい。

「大統領は黒人か、女性か?」に話を戻そう。なぜそういう話になるのかというと、やはりアメリカも人種、民族、性差、あえていうなら宗教も含めて完全に平等ではないからだと思う。言わずと知れたことだが、オバマ氏は100%黒人ではない。最初は肌の白い人でも「黒人」と言われていることがよくわからなかったが、アメリカでは少しでも黒人の血が混じると「黒人」ということになる。男女平等(=同権)に関しては、アメリカの未来は日本より明るい。日本で男女平等が論じられるとき、同じ労働、同じ収入を得ることばかりが焦点になり、性差は完全に無視される。それなら「子供が欲しい男性は、自分で生んでください」ということになりかねない。アメリカでさえ、ヒラリークリントン氏は女性だから叩かれることがある。でも彼女は態度を変えない。その肝のすわった潔さが頼もしい。

オバマ氏もヒラリークリントン氏もすばらしいパブリックスピーカーだ。加えてヒラリークリントン氏は元クリントン大統領在任中の、彼のよきアドバイザーだったとも言われている。中東に目を向けながらも、ことを荒立てないようにと大統領に忠告していたと聞いた。ガンは完全に取り除けないが、大きくしないようにチェックしろということだ。そういう意味ではまさにブッシュは、そこをグリグリといじりすぎた。あれほど複雑な民族構成、宗教の入り交じった地域にアメリカの利益を見いだそうと考えたなら、今回のイラク戦争は目的を失いやすいことは明らかだった。「イラクの治安の改善」なんて表向きの理由にすぎないし、アメリカに国民の血税まで使ってそうしなければならない義務などないはずだ。

今夜は仕事が終わったら家に直行しよう。最近お気に入りのドイツ、マゼルのリーズリングワインを開けて、ネコを膝にのせて、いろんなことに思いをはせながら深夜までスーパーチューズデーの行方をテレビで見守ろう。